冬らしい気候になったと思ったらまた暖かくなったり、台風のような突風が全国的に吹き荒れたり、今日になったらまた寒くなる。めまぐるしく変わる気候に体がついていかないオヤジです。
十年以上前に坐禅を始めて、途中休止期間はあったものの瞑想へとシフトしつつ、かなりの年数を座り続けました。
瞑想で効果を感じている人なら分かるかもしれませんが、それだけ続けていると心の安定のようなものがあるのです。
それが英語のヒアリングをする際に意外と役に立ったんです。
瞑想している時の頭の中
これは本来、説明できることではないので、なんとか概要を伝えようとすれば長くなってしまいます。
なので今回は聞くということに絞って書いてみたい。
みなさん音、聞いてますか?
普通に生活していれば、耳の不自由な方ならともかく、無音の環境というのはありえなくて、四六時中何がしかの音が耳に届いています。
でも聴覚が音を感じる場合、二通りの聞こえ方があって、それぞれに心の有り様が違います。
一つは、人の話を聞く、歌を聴く、耳を澄ます等に代表されるように能動的に聞く場合。
もう一つは、風の音が聞こえる、車の音が聞こえる等、受動的に聞こえる場合。
二つの違いは、大きく思考を働かすかどうかです。
前者は聞いた音を意味あるものと捉え理解しようと頭が働いています。
一方、後者は音源を認識するだけでそこに意味を見つける作業がない。
瞑想の時には後者の状態に近く、際限なく現れてくる心の声にも意味を見つけません。瞑想が深ければ音源の認識すらないのです。
ただ純粋に音を感じているだけという感じかな。
英語を聞く時
ネイティブが英語を聞いている時、頭の中では
届いた音声 → 言葉の持つ内容・イメージ
という具合に頭の中にストレートに内容が浮かびます。
文が主語が何で動詞が何で文型が何で……なんてことはいちいち考えないです。
これは日本語に置き換えても同じです。込み入った話ならともかく、通常の会話で主語、述語、副詞やら形容詞やら分析することもなく、内容が入ってきます。
ところが、英語初心者がネイティブの話を聞くとどうなるか?
届いた音声 → ほとんど聞き取れないが虫食いだらけのクロスワードのようにわずかに聞こえた単語(そう思っているだけで聞き間違えてる場合も多々)から、勝手に前後の単語を推定(脳内で勝手に変換)し意味を考える → その間に話が先に進んでいてその後の音声を全く聞けていない → 途中からまた聞き取ろうとする → 最初に戻る → 話が終わる → 途中わずかに推定した(でもほとんど間違っている)意味をつなげてストーリーを推定する → 全く違うものになる
大概こんな結果になるんじゃないでしょうか?
一人伝言ゲームですね。
巷ではよく、英語の聞き流しは意味が無いと言われます。
集中して意味を考えながら聞かなければ駄目だと。
でもネイティブの音に馴染んでいない英語初心者がそれをやると、上に書いたような状況で、頭の中で考えることに忙しくて聞くということがおろそかになってるのです。
自分の出来ない加減に嫌気が差してきます。
まさに僕がそんな状態でした。
じゃあ聞くことに専念しよう。そのうちにニューロンが再生されて英語耳の回路ができていくだろう。
そう思ったもののなかなか思い通りにはいきません。
いくら聞くことに集中しようとしても、聞こえてきた音が知っている単語やフレーズだと思った瞬間、脳は英語から日本語への翻訳作業にシフトチェンジしてしまいます。
途端に意識が音からはずれて、その後の音を見失ってしまうんです。
音に意味を与えない
音に脳が勝手に反応してしまうんなら、瞑想状態ならどうだろう?
上に書いたように瞑想状態ならただ音として聞くことが出来ます。
瞑想を普段よくしている人ならこの感覚はわかると思います。
やってみると英語を聞きながらでも瞑想できました。
感覚としては、知っている単語を捉えて考え始める脳を放っておく感じ。
やがて脳が考えるのをやめます。
すると英語の脳にアレンジされていない生の音がダイレクトに聞こえてきます。
もちろん音の羅列として聞いているので意味なんか分かりません。
でもそうやって続けているうちに、聞き取れなかった音がだんだんわかるようになってくるんです。
純粋に音を聞くという性能が英語の音をカバーするようにアップするということです。
狭義の英語耳ですね。
平行して他の英語の勉強をしていけば、音を取り逃がすことなく意味が少しづつ入ってくるようになります。
そういう僕はまだまだですが、この年で明らかな聞き取り能力の変化がありました。
そうやって狭義の英語耳ができてから、集中してヒアリングしていけばいいんじゃないかと思っています。
効果は若干落ちるかもしれませんが、瞑想をしなくてもただ聞き流すだけでも効果はあると思います。
他のことをやりながらでもOKです。聞いてる自覚はなくとも脳は聞いています。
僕も他のことをやりながら聞き流すのが大半です。いつも瞑想状態で聞いてるわけではありません。
初心者はまず大量の英語の音を耳に与え続けることが大事だと思います。
気負って聞こうと思っても長続きしないでしょ?
僕は英語に触れるため、ネットラジオを聞く以外に、huluやnetflixに加入して、海外ドラマばかり見ています。
内容が面白ければ、苦もなく英語を聞く機会が増やせるだろうと始めたんですが、面白くて今や見ることが目的になっています。
聞き流すという方法は、英語をかなり聞き取れる人にはあまり意味が無いのかもしれませんが、かつての僕のようにネイティブの話がまったく何を言っているのか分からない、単語すら拾えない人には必要な訓練だと思います。
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